

ではマミさん、そのためにはどれくらい葉酸をとれば良いか、知っていますか?


結論から申し上げますと、妊活中の1日の葉酸必要量は、食事とサプリから計640㎍(マイクログラム)です。

ただ、なぜ、この量が必要であり、どのように摂取したら良いのかわかりませんよね。
このページでは、妊活中の今から気をつけたい葉酸の必要量について、厚生労働省が提言している根拠もあわせながら、詳しく解説させていただきます。
大切なわが子のためにも、必要な量を無理なく与えるために参考にしていただけますと幸いです。
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目次
1.妊活中は食事から240㎍の葉酸を摂る
妊活中は、食事から1日240㎍の葉酸を摂ることが推奨されています。厚生労働省が「日本人の食事摂取基準(2015年版)報告書」で、そのように定めているからです。
これは、妊活中の女性に限った話ではなく、「成人女性」が1日に摂るべき葉酸量として、定められている量です。つまり、健康な体を維持するために必要な量、ということになります。



たとえば、葉酸を多く含む食べ物の代表例であるほうれん草は、1日生で5株程度食べると、240㎍摂れる計算になります。普段から食事に気をつかっていないと、この量はなかなか摂れませんよね。
しかし、少し意識するだけで、必要量の葉酸を食事でしっかりカバーしていくことができます。葉酸は私たちに身近な様々な食べ物に含まれている栄養素であり、食べかた次第では効率よく摂ることもできるからです。
具体的には、葉酸は、以下のような食べ物に多く含まれています。
- 野菜類(枝豆、ほうれん草、アスパラガス、豆苗など)
- 肉・魚類(牛レバー、生うに、たたみいわしなど)※レバーの摂りすぎには注意
- 果物類(ドライマンゴー、いちご、アボカドなど)
- その他お手軽食材(焼きのり、納豆、豆乳など)
ただし、妊活中は、レバーの食べすぎには注意が必要です。レバーには、ビタミンAも多く含まれているからです。
妊娠初期のビタミンAの摂りすぎは、胎児奇形の原因になるリスクがあります。多くの人が妊娠に気づくのは「妊娠4~6週」であるため、妊活中の今から気をつけましょう。
また葉酸は、「熱や水に弱い」という特徴があります。このため、調理方法によっては大部分が失われてしまうため、注意しましょう。
葉酸を上手に取り入れるポイントは、以下の6つです。
- 食材を長時間水にさらさない
- 新鮮な野菜であれば「生」で食べる
- 短時間で火を通す
- ゆでるより「炒める」「蒸す」「レンジで加熱する」
- 汁物にして汁ごと飲む
- ビタミンB12(あさり、しじみ、牛レバー、焼きのりなど)と一緒に摂る
調理のコツや相性の良い食べあわせを知っておくことで、葉酸を効率よく体に取り入れることができます。
6つポイントをおさえ、ぜひ、今日から実践していきましょう!
なお、葉酸を多く含む食べ物・食事や調理法についての詳細は、以下の記事で紹介しています。食事からしっかり必要量の葉酸を摂るために、参考にしていただけますと幸いです。
2.妊活中はサプリから400㎍の葉酸を摂ることが大事
妊活中は、食事から摂る葉酸にくわえ、サプリからも400㎍とることが大切です。つまり、食事の240㎍とあわせて、計640㎍の摂取が必要ということです。
なぜなら、赤ちゃんの神経管閉鎖(へいさ)障害のリスクを下げるためには、食事で摂るぶんとは別に、サプリから400㎍摂取することが重要だからです。
実際に、厚生労働省の「神経管閉鎖障害の発症リスクの低減に関する報告書」で、妊娠前後にサプリから葉酸を摂取することが、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクを低減させることに有効であることが述べられています。
そして、有効である最小摂取量が「1日400㎍」とされています。


厚生労働省が発表した「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に関する情報提供要領」では、「食事から摂る葉酸だけでは、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを下げられる証拠が得られていない」とされています。
これには、葉酸の「体内利用率」が関係しています。体内利用率とは、体の中でうまく利用できる割合のことです。
食事から摂る葉酸(=ポリグルタミン酸型葉酸)は、体内利用率が50%と言われています。食事から摂った葉酸は、小腸で吸収されるまでの過程でさまざまな影響を受けてしまうからです。
たとえば、食事から100㎍の葉酸を摂取しても、実際に体に吸収されるのは50㎍程度にまで減ってしまうということです。
これに対してサプリから摂る葉酸(モノグルタミン酸型葉酸)は、体内利用率が85%と言われています。
そのため、サプリから400㎍摂取すれば、340㎍程度は吸収されることになります。サプリの葉酸は、もともと体に吸収されやすいように作られているからです。

つまり、妊活中は、食事(240㎍=120㎍)と葉酸サプリ(400㎍=340㎍)、合計460㎍の「吸収」が必要となります。それぞれの体内利用率の違いを理解して、初めて「吸収を基準とした必要量」がみえてくると考えてください。

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3.妊活中から葉酸サプリを摂るべき理由
妊活中から葉酸サプリを摂るべき理由は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害を予防するためです。具体的には、妊活中から妊娠することを考えて、最も大切な時期である「妊娠3週」に、確実に必要量の葉酸を摂ることが重要です。
神経管閉鎖障害は、脳やせきずいのもととなる「神経管」が作られる、妊娠3週頃の葉酸不足が原因の1つだといわれています。

でもどうして、「妊活中」からサプリが必要なのですか? 妊娠に気づいてから摂り始めれば良いと思うのですが……

「妊娠3週」に、確実に必要量の葉酸を摂っておくためには、妊活を決めた瞬間からサプリで1日400㎍ずつ補っていくことが大切です。
第3項では、「妊活中から」葉酸サプリを摂るべき理由について、厚生労働省の提言を参考にしながら詳しく解説させていただきます。
3-1.厚生労働省は妊活中からのサプリの摂取を推奨している
厚生労働省は、以下のように提言しています。
少なくとも妊娠1か月以上前から妊娠3か月までは、食品からの葉酸摂取に加え、いわゆる栄養補助食品から1日400㎍の葉酸を摂取すれば、神経管閉鎖障害の発症リスクを低減することが期待できる
この「栄養補助食品」とは、サプリメントのことです。
赤ちゃんの脳やせきずいなどの中枢神経のもととなる「神経管」は、多くの人が妊娠に気づく前の「妊娠3週頃」から作られるためです。
葉酸には、体の各器官が正しく作られるよう、手助けをする働きがあります。
赤ちゃんの神経管が作られる妊娠初期の葉酸不足は、障害の原因になってしまうのです。
たとえば、家を建てる時には、たくさんの木材が必要ですよね。それなのに、木材が足りないまま建築作業が進んでしまったら、欠陥住宅になってしまいます。

同じように、葉酸がたくさん必要な妊娠初期に不足が起きてしまっては、本来ふさがるはずの神経管がうまくふさがらず、障害となってしまう可能性があると考えてください。
神経管閉鎖障害は、葉酸不足だけでなく遺伝子や環境など様々なことが関係して発生するといわれています。
ただ、葉酸サプリを1日400㎍摂ることで、リスクを下げられることがわかっているのです。
大切な赤ちゃんを守るために、妊活中の今から、葉酸サプリを摂っておくことがとても大切です。
なお、妊活中におすすめの葉酸サプリについては、おすすめ妊活・葉酸サプリランキングの記事で詳しく解説しています。
3-2.妊娠に気づいてから葉酸サプリを摂っても遅い
厚労省は「少なくとも妊娠1か月以上前からのサプリでの葉酸摂取」を推奨しています。
(参考:厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に関する情報提供要領」)
そのため、妊娠に気づいてから葉酸を多めに摂り始めても、遅すぎてしまう可能性があります。


たとえば、月経周期が28日で、最終月経が1月1日に開始した人で考えてみましょう。その後の排卵で無事妊娠したとすると、2月上旬に「あれ? 生理が来ていないな?」と、妊娠の可能性に気がつきます。
妊娠週数は、最終に生理が始まった日(1月1日)を妊娠0週0日と数えます。そのため、このときにはすでに、妊娠4,5週なのです。
また、妊娠3週では妊娠検査薬も反応せず、つわりなど妊娠の特有の症状も出ない人が多いため、妊娠に気づくことは困難です。
以上のことから、妊娠3週に確実にサプリから400㎍の葉酸を摂っておく準備が必要です。そのため、妊活を始めたときから、食事にくわえサプリからも葉酸を摂っておくことが大切であると考えてください。
4.気をつけたい葉酸サプリの上限量と副作用
いくら、葉酸サプリが妊活において重要だからといって、過剰摂取はいけません。
葉酸サプリの上限は、10~20代は1日900㎍、30~40代は1000㎍と定められています。(参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015版)の概要」)
摂りすぎは、以下の3つの副作用を起こすリスクがあるからです。
- 小児喘息のリスク
- 葉酸過敏症のリスク
- 悪性貧血の診断を遅らせてしまうリスク
せっかく「赤ちゃんのため」と思って摂ったにも関わらず、副作用を起こしてしまったら元も子もありませんよね。
このようなリスクを防ぐために、葉酸サプリは必ず目安量を守って活用しましょう。1日400㎍の摂取であれば、副作用を起こす心配はまずないでしょう。
なお、食品からの摂取に関しては、葉酸の過剰摂取に気をつける必要はありません。厚生労働省が「日本人の食事摂取基準(2015年版)報告書」の中で、「通常の食品を摂取している人で、(葉酸の)過剰摂取による健康障害が発現したという報告はない」と明言しているからです。
上限量と副作用についての詳細は、以下の記事を参考にしていただけますと幸いです。
まとめ
ここまで解説してきたとおり、妊活中の1日の葉酸必要量は、食事から240㎍とサプリから400㎍です。合計、640㎍となります。
食事からとる葉酸は、「ママになるあなたの健康な体を維持するため」です。そして、サプリから摂る葉酸は「将来迎える赤ちゃんの障害のリスクを下げるため」に、今から意識したい量であると考えてください。
バランスの良い食生活は、健康を維持するための基本です。このため、普段食生活にあまり気をつかえていない方は、今から食生活にも気をつけましょう。
葉酸サプリを摂る際は、目安量をきちんと守ってください。
あなた自身が健康になり、これから生まれてくる赤ちゃんのためにも、常に準備してわが子が元気に育っていく環境づくりを心がけましょう。