

ただ、妊活中は、食事にくわえて、「サプリから」も葉酸を摂ることが大切です。赤ちゃんの障害を予防するために必要だからです。

では、上限量はどれくらいなのでしょうか?

この量を超えて摂り続けた場合、副作用を起こすリスクがあるため危険です。葉酸サプリは、「摂らない」のも「摂りすぎ」もいけませんよ!
ではここから、今から葉酸を摂ることの重要性や、上限量について、詳しく解説していきますね!
目次
1.葉酸不足は危険?!妊活中から葉酸が必要な理由
葉酸は、「妊活中」の今から、必ず意識的にとっておくべき栄養素です。
以下の3つ理由からです。
- 赤ちゃんが障害になるリスクを下げる
- 妊娠に気づく前の「妊娠3週頃」からの摂取が最も重要
- 妊娠しやすい体づくりをサポートしてくれる
妊活・妊娠期に葉酸をとる最も重要な理由は、なんといっても「赤ちゃんが神経管閉鎖(へいさ)障害になるリスクを下げるため」です。
妊娠初期に、赤ちゃんの「脳」や「せきずい」のもととなる「神経管」がうまく作られないことによって起こる神経の障害です。下半身のマヒなどを発症します。
葉酸は、細胞の増殖に必要な「DNAの合成」に関わっているからです。(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット)

赤ちゃんの大切な器官である「脳」や「せきずい」が正常に作られるために、葉酸が必要であると考えてください。
逆に、妊娠3週ごろの葉酸不足は、神経管閉鎖障害の原因になってしまいます。
神経管閉鎖障害は、葉酸不足(中略)により妊娠3週頃に神経管がうまく形成されない事が原因の一つと言われています。
(日本二分脊椎症協会公式サイトより引用)
実は、多くの人が妊娠に気づくのは、妊娠4~6週です。妊娠週数は、最終月経の開始日を、0週0日と数えるからです。
たとえば、1月1日に最後の生理が始まったとします。その後の排卵で妊娠した場合、翌月の生理が来ないことで「あれ?もしかして……」と、気がつくことが多いです。
仮に、2月8日に生理の遅れに気づいた場合、このときすでに「妊娠5週」です。
これでは、最も重要な妊娠3週をのがしてしまいますよね。
このため、妊活中の今から葉酸をとっておくことが非常に大切であると考えてください。
また、葉酸は、あなたが妊娠しやすい体になるためのお手伝いもしてくれます。貧血を改善したり、着床をサポートしたりする働きがあるからです。
卵子と精子が受精し、できあがった受精卵が子宮内膜にくっつくことです。着床をもって、「妊娠成立」となります。
このため、不妊の人は特に、今から葉酸を摂っておくことをおすすめします。
妊活中の今から葉酸を摂ることの効果・メリットについての詳細は、以下の記事を参考にしてみてください。
2.妊活中は食事とサプリ両方から葉酸をとる


妊活中は、食事から葉酸を意識的にとっている人でも、サプリからの摂取がとても重要ですよ!
葉酸は、食事からとサプリから、それぞれ違う働きをすると考えてください。
- 食事から摂る葉酸:健康な体を維持するために必要
- サプリから摂る葉酸:赤ちゃんの障害リスクを下げるために必要
第2項では、食事とサプリ、それぞれから摂る葉酸の働きや必要量について、詳しく解説していきます。
2-1.食事からとる葉酸必要量は240㎍

食事から摂る必要がある葉酸の量は、1日240㎍です。
㎎(ミリグラム)の千分の一を表す単位です。1000㎍が1㎎ということになります。
「240㎍」というのは、厚生労働省が「日本人の食事摂取基準(2015年版)報告書」の中で定めています。
実は、これは、妊活中の女性に限った話ではありません。「成人女性」の1日の葉酸必要量です。
つまり、健康な体を維持するために必要な量が240㎍である、と考えてください。
具体的には、ほうれん草であれば生で5株程度食べると、240㎍の葉酸を補える計算になります。
しかし、実際のところ、10~20代の若い世代は、必要量の葉酸をとれていないのが現状です。

葉酸は、濃緑色野菜(枝豆やほうれん草、アスパラガスなど)やレバー、焼きのり、いちごなどに多く含まれています。
このため、普段これらをあまり取り入れていない方は、今から意識していきましょう。
妊活~妊娠中は、レバーの摂りすぎには気をつけましょう。レバーには、葉酸のほかに、ビタミンAが多く含まれているからです。
妊娠初期のビタミンAの過剰摂取は、胎児奇形の原因になるといわれています。(参考:内閣府 食品安全委員会作成「お母さんになるあなたへ」)
また、葉酸は、熱や水に弱い性質があります。
このため、長時間水にさらしたり加熱したりする調理法は、おすすめできません。
汁物にして汁ごと飲んだり、ゆでるのではなく蒸し料理にしたりして食べることで、効率よく吸収できます。
葉酸を多く含む食べ物や調理法を意識し、積極的にとり入れていきましょう!
なお、葉酸をたくさん取り入れるための食べ物や調理法についての詳細は、以下の記事を参考にしてみてください。
2-2.サプリからとる葉酸必要量は400㎍

妊活中は、食事からの摂取にくわえ、サプリからも葉酸をとることが大切です。
必要量は、1日400㎍です。
世界各国の研究で、妊活中からモノグルタミン型葉酸(サプリでとれる葉酸)を「1日400㎍」摂ることで、赤ちゃんの障害になるリスクを下げることができるという結果がでているからです。
葉酸には、「ポリグルタミン酸型」(食事からとる葉酸)と、「モノグルタミン型葉酸」(サプリからとる葉酸)の2種類あります。
なぜなら、食事からの葉酸摂取だけでは、赤ちゃんの障害を防げられる根拠がないからです。
厚労省が発表した「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に関する情報提供要領」では、「食事から摂る葉酸だけでは、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを下げられる証拠が得られていない」とされています。


サプリからとる葉酸は、体内利用率が85%です。
これに対し、食事からとる葉酸は、50%しかありません。
つまり、サプリからの方が、1.7倍も効率よく葉酸を取り入れることができるということです。

2種類の葉酸の違いを理解して、食事とサプリそれぞれから、必要量をとるように心がけましょう。
なお、必要量についての詳細は、以下の記事で解説しています。
3.葉酸サプリの上限は1日900~1000㎍

「妊活には葉酸が大事!」とはいうものの、摂ればとるだけ良いというものでもありません。
上限量は、10〜20代は900㎍、30〜40代は1000㎍と定められています。(参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015版)の概要」)
この基準を超えるような過剰摂取は、絶対にダメです。
副作用を起こすリスクがあるからです。(詳しくは第4項で解説しています)
ただ、目安量を守って使う分には、まず心配いりません。サプリは「医薬品」ではなく、あくまで「食品」扱いだからです。
多くの妊活・葉酸サプリは、厚生労働省が定めた推奨量である、「1日400㎍」とれるように作られています。1粒葉酸100㎍の商品であれば、1日4粒とりましょう。
しかし、中には、1粒で400㎍の葉酸がとれるサプリもあります。
これを1日4粒とった場合、1600㎍になってしまいますよね。これでは、明らかに摂りすぎです。
過剰摂取を防ぐためにも、葉酸サプリは必ず目安量を守って使うようにしましょう。
なお、900~1000㎍という上限は、サプリからとる葉酸に関して定められた量です。
食事からとる葉酸については、とり過ぎに気をつける必要はありません。
厚生労働省が、「日本人の食事摂取基準(2015年版)報告書」の中で、「通常の食品を摂取している人で、(葉酸の)過剰摂取による健康障害が発現したという報告はない」と明言しているからです。
4.過剰摂取で起こりうる3つの副作用

なぜ、摂りすぎがいけないかというと、以下3つの副作用のリスクがでてきてしまうからです。
- 小児喘息のリスク
- 葉酸過敏症のリスク
- 悪性貧血の診断を遅らせてしまうリスク
葉酸サプリは、あなたに将来やってくる「宝物」の健康を守るために摂るものです。
摂ることでリスクを作ってしまっては、元も子もありませんよね。
第4項では、過剰摂取によって起こりうる3つの副作用について、詳しく解説していきます。これらのリスクを作らないよう、葉酸サプリは必ず目安量を守って使いましょう。
4-1.小児喘息のリスク
オーストラリアのアデレード大学の研究より(英文)では、以下のような結果が報告されています。
合成葉酸とは、モノグルタミン酸型(サプリからとる)葉酸のことです。
喘息は、空気の通り道である気管支が急激に縮こまり、呼吸困難などの発作を起こす病気です。
大切な赤ちゃんが喘息になってしまうリスクを作らないよう、摂りすぎはやめましょう。
4-2.葉酸過敏症のリスク
葉酸過敏症も、葉酸サプリ(合成葉酸)の過剰摂取を続けると起こる可能性がある症状です。
具体的には、発熱、蕁麻疹(じんましん)、紅斑(こうはん)、かゆみ、呼吸障害などです。
また、摂りすぎは、亜鉛の吸収を阻害する恐れもあります。亜鉛は胎児の骨などの成長にとって大切な栄養素であるため、注意が必要です。
4-3.悪性貧血の診断を困難にしてしまうリスク
(参考:厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に関する情報提供要領」)
悪性貧血とは、ビタミンB12が足りなくなることによって起きる貧血です。
ビタミンB12は、葉酸と同様に赤血球を作る働きをします。ビタミンB12が欠乏すると、正常な赤血球を作ることができず、悪性貧血を起こすのです。
ビタミンB12の欠乏によって起こる悪性貧血は、通常の貧血症状にくわえ、下肢のしびれや運動失調などの神経症状がでることが特徴です。
上限を超えて葉酸サプリをとり続けた場合、普段よりずっと多くの血液が作られます。
このため、通常の貧血症状が隠れてしまうのです。
これによりビタミンB12が欠乏していることに気がつくのが遅れ、結果として神経症状を悪化させる原因になることがあります。
以上の3つの副作用を起こさないために、葉酸サプリは必ず目安量を守って活用しましょう。
5.こんな摂り方には注意!過剰摂取しがちな2つのパターン

「過剰摂取なんて、そうそう起こらないでしょ?」そう思う人もいるかもしれません。
しかし、実際のところ、「知らず知らずのうちに摂りすぎていた」なんていう人がたまにいます。
葉酸サプリを選んだり使ったりする際は、以下の2点に気をつけましょう。
- サプリの併用
- 海外生産の葉酸サプリ
これらは、葉酸を始めとする各成分の、過剰摂取を引き起こす可能性があるからです。
第5項では、葉酸サプリを安全に使うための2つのポイントについて、詳しく解説していきます。
5-1.サプリの併用はしない

よく、複数のサプリを併用している人がいます。
ただ、これはおすすめできない飲み方です。栄養素の過剰摂取になってしまう可能性があるからです。
たとえば、マルチビタミンサプリは、葉酸も含んでいることが多いです。マルチビタミンサプリと葉酸サプリを併用してしまっては、葉酸を多く摂りすぎてしまうリスクがあります。
また、基本的に多くのサプリには、添加物が含まれています。複数のサプリを使うと、添加物も倍多く取り入れることになってしまうと考えてください。
赤ちゃんにも関係してくる妊活中は、添加物をたくさん取り入れるのは避けたいですよね。
このため、1つでなるべく妊活中に必要な栄養素をもれなくとれるサプリを選びましょう。
妊活中に必要な栄養素がすべて入ったおすすめ妊活・葉酸サプリランキングはこちら
5-2.海外生産の葉酸サプリは避けるのが無難

海外の商品にも、注意が必要です。
外国のサプリは、外国人の体格や食生活を基準として作られています。
たとえば、日本では葉酸が1日400㎍とれるサプリが多いです。
これに対し、外国は、1日800㎍とれるタイプが一般的です。過剰摂取にはぎりぎりならない量ではありますが、サプリだけでこの量とるのは、私たち日本人には多すぎます。
日本人は、外国人より体系が小さく、食生活も大きく異なりますよね。
このため、私たちが外国製品をとった場合、過剰摂取になるリスクがあると考えてください。
国内メーカーで作られた妊活・葉酸サプリを選ぶのが良いでしょう。
まとめ
葉酸サプリは、健康な赤ちゃんを産むため、そしてあなたが1日も早くママになるために、妊活中の今からとっておくべきものです。
食事からとる240㎍にくわえ、サプリからも1日400㎍の葉酸をとりましょう。
このとき、過剰摂取には気をつけなければなりません。
葉酸サプリの1日の上限量は、900~1000㎍です。これを超えるような摂り方を続けると、副作用を起こす危険性があるため、注意が必要です。
過剰摂取を防ぐためには、なるべく1つですべての必要成分をカバーできる、国内メーカーで製造されたサプリを選ぶことをおすすめします。
1日の目安量を守り、将来あなたのもとにやってくる「宝物」の健康を守りましょう。
でも私、ほうれん草など食事からそこそこ葉酸は摂れているはずで。
サプリまで摂ったら、「過剰摂取にならないかなぁ?」と不安があります。